ねえ君はどうしてるの? ひとりじゃないの? 絶対にアイツの前では泣かない。 絶対に自分の感情を押し出さない。 絶対に、絶対にアイツを笑顔で送り出してやる。 そう決めて出発の日、アタシは空港へと見送りに行った。 アタシのそんな決意を知りもしないアイツは…いつもと同じ調子。 ただひたすらアタシや内山たちの話に相槌を打ち、いつもの笑みを浮かべる。 そして…搭乗のアナウンスが聞こえるとすぐに立ち上がって。 騒ぎ立てるアタシ達にたった一言、“じゃあ、行って来る”とだけ告げて。 それから一人、一度も振り返る事なく搭乗口へと消えて行った。 本当は…あの時の事、今でも後悔してるんだ。 何でアタシは。 自分の想いをアイツにぶつけなかったんだろう。 どうしてアタシは。 あんなおかしな決意をして、アイツを送り出したんだろう。 アイツが居なくなってから、ようやく分かったんだ。 気持ちを伝えなくちゃ、何も変わらないって事。 「…好き」 「……大好き」 「………ああもう大好きなんだよっ、馬鹿ヤローッ…」 こんな風に気持ちをアイツに真っ直ぐに伝える事が出来ていたら。 きっと今、アタシはこんな後悔の念など抱いていなかっただろう。 例えアイツからの応えが、“Yes”でも“No”でも、それ以外だったとしても。 正直な気持ちを伝えられたのなら、アタシはきっと後悔していなかっただろうから。 本当は…今でもアイツに気持ちを伝える事が出来るなら。 アタシの気持ちを、全てアイツに伝えたいんだ。 でも…出来ない、出来る訳がない。 だって、アイツは今も遠く離れた処に居るんだから。 なあ、沢田。 お前はどうしてる? 今、誰と過ごしてるんだ? まさか………ひとりじゃないよな? …なんて、格好悪いくらい。 お前が居なくなってからアタシは同じような言葉ばかり繰り返してるよ。 「早く帰って来いよ、沢田…」 今なら、きっと。 お前の目を見て、しっかりと伝えられる。 だから……帰って来てくれよ。 頼むからアタシの想い、聞いてくれよ。 いつの間にか降りはじめていた雪に、そんな想いを託して。 再び歩き出した。 街路樹に施されたイルミネーションが涙でぼやける。 去年のクリスマスも、今年のクリスマスも。 アタシの隣には…誰も居ない。 きっと、来年のクリスマスも…一人きりだろう。 「…あ、ごめんなさい…」 突然目の前に立ちはだかった黒い影。 気付くのが遅くて、体当たりしてしまった。 思わずすぐに謝罪の言葉を述べたものの、相手は何も言わない。 …誰だ?知り合いか? そうは思ったものの、知り合いなら絶対に声を掛けて来るだろう。 ……誰なのか全然分かンねえよ。 自問自答の末、誰なのか確かめようと伏せていた目をゆっくりと上げた。 「ただいま」 目に入ったのは。 ずっと、ずっと逢いたかった人。 逢いたくて、でも逢えなかった人。 早く帰って来い、と帰りを待ち焦がれていた人。 「…さわ、だ…?」 …幻覚か? まさか…これは…サンタクロースが見せてくれた幻なのか? もしそうなら、感謝しなくちゃな。 「ただいま、ヤンクミ」 この涙が全て流れたら。 アタシは…全てを伝えるよ。 だから、もう少し。 もう少しだけ…泣かせてくれないか。 今年のクリスマスは、沢田と一緒。 来年のクリスマスも、沢田と一緒に過ごせたら… メリークリスマス!! クリスマス企画小説のリベンジ!と思ったのですが。 やっぱりうだうだに...ごめんなさいっ。 明日23時59分までフリーとさせて頂きます。 どうぞ、もらってやってください。 …いやどなたかぜひ受け取ってください、お願いします(ペコペコ ************************** 管理人コメント 「///4ever///」様の海里さんからいただきましたvv 素敵なクリスマス小説vv ウインドウを閉じてお戻りください。 |
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